会議や打ち合わせの議事録を作成する際、ICレコーダーやスマホアプリで録音したファイル(データ)を聞きながら手動で文字起こしする作業はものすごく労力と時間がかかります。
また、近年はMicrosoft TeamsやZOOMなどを使ったオンライン会議も増え、議事録を作成する機会が増えている方もいるかと思います。
ひと昔前までは文字起こしするためのツール自体はあったものの、中々自分の思い描いたような精度の高いものは無かった印象がありますが、現在はAI音声認識による自動文字起こしツール(アプリやブラウザ上で動作するものなど)が続々登場しており、議事録を作成するサポートツールとして非常に使えるようになってきています。
しかしネットなどで調べると多くの議事録作成をサポートしてくれるツールが出てきますが、結局どれを使ったらよいか迷っている方は多いのではないでしょうか?
この記事では無料で利用できるものから低価格帯のものに特化して『文字起こしができるおすすめツール』を厳選して紹介したいと思います。
文字起こしツールを選ぶ前に
文字起こしツールを選ぶ前にいくつかポイントを紹介したいと思います。
文字数と録音時間
文字起こしができるツールには、『無料』と『有料』ものがありますが(あたり前ですが)、ここで覚えておきたいのが、文字起こしする文字数や録音時間の感覚を掴むことが重要ということです。
基本的に有料の文字起こしツールは、文字数や録音時間でプランが変わってきます。
また、一ヶ月〇〇文字・○○時間までなら無料といったものもあります。
自分に合った文字起こしツールを選ぶためにも文字数・時間の感覚を掴むことは重要です。
一般的にセミナーなどで、人に聞かせるとき心地よいペースは、1分間に300字~400文字と言われています(ここでは300文字とします。)。
よって、30分であれば9000文字、1時間であれば18,000文字が目安となります。
もちろんシチュエーションによって変わってきますが、セミナー以外(会議や打ち合わせ)であればこれよりも少なくなる感覚さえ覚えておけば大丈夫です。
シチュエーション
シチュエーションによってツールを使い分けることも重要です。
セミナーやインタビューなどの1対1や1対多数などの話しが1人の場合が最も文字起こしツールの性能を引き出しやすい環境になります。
話し手が増えれば増えるほど、音声の読み取り環境に工夫が必要になります(マイクとの位置関係や声量の違いなど)。
なお、Microsoft TeamsやZOOMなどのWEB会議の場合は、各々のパソコンに接続しているマイクの性能によって声の読み取りやすさ(聞き取りやすさ)が異なる場合がありますが、現地に複数人集まって会議を行うような場合よりきれいに音声を録音できる可能性が高いです(各々の目の前にマイクがあるため)。
また、いくら性能の良い文字起こしツールを導入しても、環境が悪ければきれいに文字起こしできない場合があります。基本的に話し手の音声がしっかりと読み取れてさえいれば無料なものでも十分である場合があるため、環境づくりについても念頭に入れて文字起こしツールを選んでください。
おすすめの文字起こしツール5選
それでは、前置き長くなりましたが文字起こしができるおすすめツールを厳選して紹介いたします。
Microsoft 365のWEB版『Word』
意外に知られていませんが、Microsoft365(旧名称:office365)のWEB版「Word」に音声ファイルから文字起こしできる機能があります。
なお、Office on the web(無料WEB版office)には、「リアルタイムで文字起こしする機能」はついていますが、「音声データから文字起こしする機能」は付いていないため、音声ファイルをから文字起こししたい場合は、Microsoft365を契約する必要があります(有料)。
ただし、「音声データから文字起こしする機能」は、1一ヶ月あたり最大 300 分の制限があります。
会社や個人でOffice365を導入している人は多いと思うので、是非この機能を使ってみてください。
- ソフト版には、リアルタイム文字起こし機能はありますが、音声データから文字起こしする機能はありません。
プラン | 料金 | 機能 | 文字数・録音時間 |
---|---|---|---|
Office on the web (無料WEB版office) | 無料 | リアルタイム文字起こし | 無制限 |
office365 | 有料 (料金は公式HPを参照) | リアルタイム文字起こし | 無制限 |
音声データから文字起こし | 1一ヶ月あたり 最大 300 分(5時間) |
Google ドキュメント
実はGoogleドキュメントでも文字起こしができます。もちろんGoogleアカウントを持っていれば使えるので無料です(無制限で使用可能)。
リアルタイムで文字起こしすることが基本となりますが、音声や動画ファイルから文字起こしすることもPCの設定で録音をステレオミキサーにすることで可能です。
ただし、PCによってはステレオミキサーが入っていなかったり、設定が複雑だったりするので、PCに詳しい方でなければ難しいかもしれませんが、文字起こしの精度は非常に高いので是非使ってみてください。
Notta (ノッタ)
クリアな音声の録音(ボイスレコーダー機能)から、リアルタイム文字起こし、音声ファイルから文字起こしできる機能があります。
なお、WEB版とアプリ(iOS版とAndroid版の両方有り)があり、様々なシーンで使えます。
無料プランとプレミアムプランがありますが、音声ファイルから文字起こしをする場合は、プレミアムプランに契約する必要があります。なお、文字起こし専用ツールということもあり、管理画面・編集画面は非常に使いやすいようにデザインされています。
プラン | 料金 | 文字数・録音時間 |
---|---|---|
無料 | 無料 | 毎月120分 (2時間) 文字起こし リアルタイム文字起こし |
プレミアム | 【一括年払い】$8.25 / 月 【月払い】$13.99 / 月 | 毎月1800分 (30時間) 文字起こし リアルタイム文字起こし 音声・動画ファイルのインポートなど |
Androidアプリ「音声文字変換&音検知通知」
音声文字変換&音検知通知(旧名称:音声文字変換)は、Googleの最新の自動音声認識および音検知テクノロジーにより、リアルタイムで文字起こしができる無料のAndroidアプリです(無制限で使用可能)。
音声データから文字起こしはできませんが、非常に高精度で文字起こしができます。
なお、スマホの内臓マイクから音声を聞き取ることはもちろんのこと有線マイクや無線マイクにも対応しています。
Sloos(スルース)
最近、正式版がリリースされたサービスで、発言者毎の文字起こしができる機能が特徴です。また、汎用的なマイク1台で最大10名までの話者を識別し、 発言内容をリアルタイムで文字起こしすることができます。
Microsoft TeamsやZoomのウェブ会議等と併用して利用する事も可能です。
非常に精度が高く、試用版(β版)を含み、現在700社以上の企業が利用しているとのことです。
プランはパーソナルプランとビジネスプランがあります。
30日間無償で使用できるので、試しに利用してみてはいかがでしょうか?
プラン | 料金 | 文字数・録音時間 |
---|---|---|
パーソナル | 800円/月 | 無制限 |
ビジネス | 2,000円/月 |
- 文字起こし精度の向上が見込める音声認識オプションを有り(120円/時間)
ユーザーローカル音声議事録システム
複数の話者の音声を認識し、リアルタイムで文字起こしができるツールで、無料で利用することができます。
また、他の文字起こしツールにはない、会議の内容を分析する機能があります。
分析できる内容は、『トピック(キーワード)単語の表示』、『感情を認識し、「ポジティブ・ネガティブ」「5感情(喜び・好き・悲しみ・恐れ・怒り)」の2種類をグラフ化』、『単語出現頻度の表示(名詞・動詞・形容詞・感動詞に分類)』です。
会議や打ち合わせの内容の『見える化』ができるツールと言えます。
なお、ブラウザ上(Google chromeのみ)で動作します。
まとめ
今回は、無料で利用できるものから低価格帯のものに特化して『文字起こしができるおすすめツール』を厳選して紹介しました。
自分の環境にあったツールを選ぶことができれば、文字起こしする労力と時間を大幅に効率化できるでしょう。
また、近年のデジタル技術は非常に進化しているので、文字起こしツールに特化したサービスがこれから続々と出てくると思います。その際はまたご紹介できればと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。